特殊な義手
特殊な義手の紹介
1.電動義手
このタイプの義手は、義手の手先具や肘関節などの動きを、電動モーター等を用いることにより再現しようとするものです。
歴史的にはガス圧や空圧などの機構を用いるものがありましたが、現在では電動モーターを用いて手の動きを再現させようとするものが一般的です。
電動義手とはこれらの機械的機構を使って動かす義手の総称であり、その中でも断端の筋肉の収縮を電気信号として用いて電動モーターの動きを制御するものを筋電義手といいます。
筋電義手
筋電義手は前述のように、手先具を開いたり閉じたりするといった動きの操作を電動モーターで行い、そのモーターの制御を切断端の筋肉の収縮を信号にして行うものです。
手先具はハンド型が一般的で、装飾性と機能性を兼ね備えた日常生活上で大変有用的な義手であるといえます。
すなわち、装飾用義手の装飾性と物をつかんだりするといった能動用義手の機能性の両方の利点を持っています。
また、能動義手のように体の動きを使う必要がないので、高齢者、あるいは断端長の短い方などで手先具の動きを必要とされている場合にも非常に有利な義手であるといえます。
また、場合によっては能動義手と同様に、手先具をフック型に交換するといった用途に合わせて手先具を交換することも可能です。
2.シリコーン製義手
従来、装飾用義手のグローブの素材は塩化ビニル(PVC)製のものが一般的でした。
塩化ビニルは丈夫で2次加工が可能であり、接着性が良く切削加工等が容易です。
その反面、油性の汚れが付き易く、日々の生活で読む新聞や雑誌などのインクやその他の汚れが一度付着して中まで染み込んでいってしまうと、汚れを落とすことができません。
また、経年変化により長期間使用すると変色(黄色掛った色になる)や変質(硬くなる)がおこってしまいます。
これらの欠点を補う形で開発されたものが、シリコーン製のグローブです。シリコーンは汚れが付きにくく、たとえついたとしても簡単に落とすことができます。
また、経年変化も起こらず、変質・変色も少ないため外観や装着感もほとんど変わることがありません。
反面、塩化ビニルに比べると強度が落ちるため、特に引裂き強度が弱いという点や、2次加工ができないなどの欠点があります。さらに、強度が落ちることを補うため、材質に厚みを持たせる必要があることにより、少々重くなります。
装着を希望される方は、生活様式やお仕事の内容を考慮してください。
3.演奏用義手
スチールギター演奏者で左全手指欠損の菅納さんです。左手でバーを持つために義手を使用します。