ライフスタイルへの視点
施設の役割 – ライフスタイルへの視点 –
人間の出生から老齢までを考えると、児童期が最も開発の旺盛な時期であることは周知のとおりですが、障害児についても例外ではなく、この時期を失して開発は成し得ません。
従って、この時期に積極的に能力開発の促進を図っておく必要があります。しかし、能力開発はこれだけを別個になしうるものではなく、生活と密着してはじめてなしうるものであることを見誤まらないようにしています。
そして、開発された能力を十分とするならば、その能力の発揮、維持を受けつぐのが青年期です。20歳代に入ると開発の勾配はゆるやかになり、30歳代に入るとその力を維持することに焦点をおくことになります。この時期は、本人のもつ力からみてできることを探し生かす方向でできることを求めていきます。
更に高齢に至っては、望ましい姿で老齢に達することが課題となるでしょう。この時期は、健康管理に留意し、何かできることを楽しみの一つとしてもちながら、かかわりをもつ人から得る人間的かかわりの豊かさの中に幸せを求めるのであり、我々はこのかかわりをもつ人の役割をしていかなければなりません。